認知症の方が食べたばかりなのに、食べたことを忘れ、また何か食べたいと言われたらどう対処しますか?
住宅型老人ホームで働き始めて、もうすぐ、3か月になります。
まだまだ、介護者として、半人前です。
認知症の方もいらっしゃいますが、お一人お一人違っています。
でも、皆さん、感情は豊かです。
もちろん、不穏な時や落ち込んだ様子の時もありますが、
笑顔を向けて下さったり、「ありがとう」や「おつかれさまね」とかの
感謝や労いの言葉をかけて下さることもあります。
とても癒されて、疲れも吹き飛ぶ瞬間です。
【前回の質問といただいたお返事】
「認知症の方に「財布を盗った!」と言われたら、どう対処しますか?」 のお返事をいただきました。 ありがとうございます! 励みになります。
A様
側に居る人が疑われました。嫁としては嫌でした。辛かったです。
しまいにヘルパーさんをも疑いました。本当に困りました。
変な事言うなぁと思ったら家族に話して 印鑑、通帳、大事な書類などを金庫に入れる。
無くなったと言い出したら、「ここに入ってますよ」と何回も話す。安心させる。
言っても、またすぐ言うのが認知症なのです。
K様
ついにそのゾーンの認知に来たか!と思い、何も感じませんね、、
言ってきた場所が施設だとしたらそのまま、ハイハイ〜で、流します。
S様
私が認知症の義父と同居していた頃、
一度だけ義父の財布がない、盗られた、と騒がれたことがあるんです
本人が、どこに置いたか忘れただけで、すぐに見つかったので、
あまり問題にならず、盗られたという騒動も、それ一回限りでした。
だけど、もし万が一、頻繁に盗られたと疑われていたとしたら、
本当に困ったと思います。
対処法というのは、正直良いのが思い付きません。
日頃、コミュニケーションを多くとっておけば、少しは有効なのかな?と思ったりもしますが。
もし良い対処法があるなら、教えてもらいたいと思いました️
T様
今まで言われた事も考えた事もなかったけれど、もしそんな事を言われたら、認知症のせいだとはわかっていても腹が立って言い返してしまうと思います。
否定してはいけないとすれば、どう対応すれば良いかわからず困ってしまいます…
この間会った時に開沼さんが言っていた通り
質問に答えようとすると脳が働き出すってすごく実感します!
この質問に答えるのが、なんか嬉しい(´▽`*)♡
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A様は、実際に認知症のお義父様に疑われ辛い思いをされたのですね。
金庫に入れ、無くなったと言い出したら、
「ここに入ってますよ」と何回も話し、安心させることを繰り返すのは素晴らしい対処法だと思います。 感情的にならず、冷静に対処されて、頭が下がります。
K様のように、相手は認知症のせいで、そんなことを言っているだけと流せるうちは、
まだ我慢できますが、側にいて頻繁に疑われたら辛いですね。
S様も認知症のお義父様と同居されていたのですね。
色々、大変な思いをされたことでしょう。
S様がおっしゃるコミュニケーションも大切なことだと思います。
認知症の方は、五感(視・聴・嗅・味・触)をめいっぱい使って、
コミュニケーションをとろうとしていると言われています。
ですから、五感を活かしたコミュニケーションを意識すると良いと言われています。
・大袈裟なくらい声に感情や表情をつけ、大きくハッキリ話す。
・目や顔をしっかり合わせ豊かな表情で話す。
・身振りや手振りも交える
・嫌がらなければ、やさしく触れたり、さすったりする。 このように、コミュニケーションを大切にいておけば、ある程度は物盗られ妄想も抑えられることもあります。
T様のように、認知症のせいだとはわかっていても腹が立って言い返してしまうかもしれないと思うのは、普通だと思います。
でも、ここで、「私は盗っていませんよ」と言う代わりに、 一緒に探してあげて、先に見つけたら、本人の目につきやすい場所に移して、本人に自分で見つけさせるのが良いと言われています。
盗ったと言わないまでも、財布、通帳、印鑑、保険証など頻繁に失くすようになるのは、認知症の初期にはよくあることです。
T様が嬉しいこともおっしゃって下さいました。
そうなんです! 質問されると、脳が答えを探して働き始めるのです。
もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、
マンダラエンディングノートと同じように、この終活ブログも魔法の質問を使わせていただいています♪
【アルツハイマー型認知症について】
認知症の半数近くがアルツハイマー型認知症と言われています。
脳にたんぱく質(アミロイドβやタウタンパク)が異常にたまり、脳細胞が損傷したり神経伝達物質が減少したりして、脳の全体が萎縮するのが原因と考えられています。
アルツハイマー型認知症は、個人差は非常に大きいですが、多くの場合、5~10年ほどで、初期~中期~後期へとゆっくりと進行します。
最喜怒哀楽などの感情は失われにくいため、本人の気持ちを尊重した対応は最期まで必要です。
【アルツハイマー型認知症の初期症状】
・最近のことほど忘れ、部分的にではなく全体を忘れてしまう(認知症による物忘れ)
・昼夜、日時、季節が分からなくなる(時間の見当識障害)
・いつもやっていた料理などができなくなる(実行機能障害)
物盗られ妄想や被害妄想もこの実行機能障害です。
【アルツハイマー型認知症の中期症状】
・道に迷って、警察に保護されたり、自宅のトイレの場所が分からなくなります(場所の見当識障害)
・失禁するようになり、衣服の着脱も介助が必要になってきます。
リモコンの使い方やお金の支払い方も分からなくなってきます(失行)
この時期、ご本人は自信や自尊心がとても傷つけられ、つらい気持ちになっているのに、それを伝える言語能力も低下して言葉にできない為、無気力や抑うつ、暴言・暴力などの二次的な症状が出ることもあります。
【アルツハイマー型認知症の後期症状】
・多くの言葉を失い、会話が困難になっていきます。
・身体の基礎的な能力(歩行能力・食事動作・排泄)も衰え、身体介護が必要になります。
・転倒、拘縮、誤嚥が起きるようになります。
【主な症状に対する家族の対応】
・トイレの場所を間違えるようになったら「トイレはここ!」と何度も言葉で言うのではなく、トイレのドアに「トイレ」と張り紙をしたり、夜はトイレまでの誘導灯をつけるようにするのが良いようです。
・同じ物をたくさん買ってきてしまうようになったら、「また、買ってきたの!」と責めるのではなく、多すぎるものはこっそり処分し、買い物メモを持たせるようにするのが良いそうです。
また、できれば、良く行く店に事情を話して、「昨日も買って行かれたから、これはいりませんね」と声を掛けていただく方法もあります。
【今回の質問】
「認知症の方が食べたばかりなのに、食べたことを忘れ、また何か食べたいと言われたらどう対処しますか?」
同じアルツハイマー型認知症でも、すべての人に同じ対応が良いとは限りません。
トライ&エラーで対処していきます。
あなたなら、どのように対処されますか?
今日は長くなりましたが、最後までお読みいただきましてありがとうございました!
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